急性骨髄性白血病 (AML) 完全寛解に到達後の寛解後療法

2019-11-13

急性骨髄性白血病 Giemsa Blast 30%

 

急性骨髄性白血病(AML)寛解導入療法により、完全寛解に到達しても、そこで治療終了ではありません。もしここで治療を終了したら数か月で再発してしまいます。

完全寛解に到達しても、急性骨髄性白血病細胞はまだ完全には消えていません。完全寛解に到達後も簡単に再発しないよう「寛解後療法」が必要です。寛解後療法は化学療法もしくは同種造血幹細胞移植です。

本項では急性骨髄性白血病の寛解後療法について解説します。寛解後療法は急性骨髄性白血病の予後リスクにより異なります。本項でも国内・国外の文献やガイドラインを参照しつつ解説します。

 

急性骨髄性白血病の完全寛解到達後 中枢神経系評価とリスク分類

完全寛解に到達したら、中枢神経浸潤の有無の確認が必要な場合があります。

寛解導入療法は脳などの中枢神経系には治療効果が乏しいです。中枢神経系再発は急性骨髄性白血病の数%くらいですが、以下のリスクがある症例では中枢神経系再発率が高くなります (Cancer. 2012 Jan 1;118(1):112-7, Am J Hematol. 2017 Sep;92(9):924-928)。

診断時白血球(白血病細胞含む)40000 /μL、単芽球型の急性骨髄性白血病、診断時末梢血白血病細胞40%以上、診断時LDHが4桁以上、16番染色体転座、FLT3-ITD遺伝子変異、11番染色体異常.

上記のいずれかの場合は寛解後療法を開始する前に、腰椎穿刺を行い中枢神経浸潤の有無の確認を行ったほうがよいとされます。

腰椎穿刺では背骨である腰椎と腰椎の間を細い針で刺して、その中を流れる脳脊髄液という液体を採取し、細胞を顕微鏡下で確認する検査(細胞診)フローサイトメトリ検査を行います。痛みはそれほどでもありませんが、時間がかかります。検査後によく頭痛が起こります。

腰椎穿刺をどのようにして行うのかについては、下の動画を見たほうがわかりやすいです。

脳脊髄液検査でも急性骨髄性白血病細胞がなければよいのですが、急性骨髄性白血病細胞を検出したら、脳脊髄液中に抗がん剤投与(髄腔内投与)を繰り返し行います。

 

Diagnosis and management of AML in adults

急性骨髄性白血病の寛解後療法は、予後リスクによって異なります。

急性骨髄性白血病細胞は発生するときに、様々な遺伝子異常を獲得しますが、その遺伝子異常により生存率が全く異なることがわかっています(下図 Blood. 2010 Jul 22;116(3):354-65)。

急性骨髄性白血病 染色体異常別全生存

急性骨髄性白血病の遺伝子異常については研究が年々すすんでいます。

2017年に全世界の専門家の提言がありました(2017年ELNリスク分類, Blood. 2017 Jan 26;129(4):424-447)。予後リスクについて下図のように分類しました。Favorableは比較的予後良好、Adverseが比較的予後不良、Intermediateはその中間です。

2017 ENL AMLリスク分類

Favorable(予後良好群)は急性骨髄性白血病の約15%です。10年以上生存する症例も70%くらいとなります。他の急性骨髄性白血病よりも比較的完治しやすいと言えます。

Intermediate(予後中間群)がもっとも多く、急性骨髄性白血病の約60%です。10年生存率はFavorableの半分くらいまで低下します。

Adverse(予後不良群)は、急性骨髄性白血病の約25%です。高齢者に多いこともありますが、10年生存率はIntermediateの半分未満となります。非常に予後が悪いです。

抗がん剤化学療法の効果がそれぞれで異なるため、寛解後療法の治療戦略はこのリスク分類に基づいて行っていきます

 

2017年ELNリスク分類による予後分類について、前向きの大規模臨床試験で検証されました(Leukemia. 2020 Mar 30).
2017年ELNの分類で全生存率は明らかに異なります(下図)。

ELN2017 予後分類 検証 OS

この分類では、年齢別にみても同様にはっきりとわかれます(下図 左:60歳未満, 右:60歳以上).

ELN2017 予後分類 検証 年齢別 OS

60歳未満で予後良好群とされても、5年生存率は64%でした。比較して良好であるだけで、実際には予後良好とはいえません。この研究では60歳未満で中間群の5年生存率は42%、不良群は20%でした。

一つ前の予後分類(ELN 2010)では中間1と中間2がありましたが、ELN2017では撤廃されています。実際に中間1と中間2はあまり予後が変わらず、ELN2017の分類のほうがよりわかりやすいものとなるためです(下図).

ELN2017 予後分類 ELN2010と比較 OS

この研究では、各リスクの割合は良好群35.3%, 中間群24.6%, 不良群40.1%でした(下図 年齢別 左:60歳未満, 右:60歳以上). 上記の当初に報告されていた割合とはかなり異なります。

ELN2017 予後分類 割合 年齢別

 

急性骨髄性白血病の寛解後療法 化学療法と同種造血幹細胞移植

急性骨髄性白血病の寛解後療法はリスクに応じて、化学療法同種造血幹細胞移植を選択しますが、どのような症例に化学療法・同種造血幹細胞移植を選択するべきなのでしょうか?

 

1994年に報告された化学療法についての大規模ランダム化臨床試験では、化学療法の量を比較しました(N Engl J Med. 1994 Oct 6;331(14):896-903)。

シタラビンという抗がん剤の投与量を以下の3群にランダムに振り分けました。

シタラビン 100 mg/m2で5日間、計 500 mg/m2

シタラビン 400 mg/m2で5日間、計 2000 mg/m2

シタラビン 3000 mg/m2で1日2回、3日間(隔日)、計 18000 mg/m2

これらを約1ヶ月に1回、計4サイクル行いました。

結果は、4年時点での無増悪生存期間はそれぞれ、21%, 25%, 39%と最も量の多い群で明らかに良好でした(p=0.003).

最も重要な全生存率も4年時点でそれぞれ, 31%, 35%, 46%と最も量の多い群で明らかに良好でした(下図、p=0.04).

急性骨髄性白血病 寛解後療法 大量シタラビン 生存率

寛解後療法中の致命的な合併症はそれぞれ1%, 6%, 5%でしたが、最も量の多い群では中枢神経系の毒性が明らかに多くみられ、特に60歳以上の症例では約3割しか最後まで完遂できませんでした。

 

合併症のリスクはありますが、生存率を改善させたため、この最も量の多いシタラビンによる治療を「大量シタラビン療法」と呼ぶようになり、以降広く使用されることになりました。

「大量シタラビン療法」は1サイクルだけ行うよりも3サイクル行ったほうが効果が高いことがわかっています(J Clin Oncol. 1999 Dec;17(12):3767-75)。

 

以降「大量シタラビン療法」よりもよい寛解後の化学療法を探す大規模ランダム化臨床試験がいくつか行われました。

しかしアントラサイクリン系薬剤などの抗がん剤の組み合わせと「大量シタラビン療法」を比較しても、無増悪生存期間・全生存期間の改善はありませんでした (Blood. 2011 Feb 24;117(8):2366-72, Blood. 2011 Aug 18;118(7):1754-62, J Clin Oncol. 2013 Jun 10;31(17):2094-102)。

それだけでなく大量シタラビン療法の効果が予後良好群と予後中間群では特に高いことがわかりました。

 

同種造血幹細胞移植とは、「細胞の型」の一致するドナーから造血幹細胞を採取し移植する治療です。この際に大量の抗がん剤免疫抑制剤を使用します。細胞の型は「HLA」といいます。

兄弟姉妹一人につき、細胞の型(HLA)が一致する確率は25%です。

HLAの一致する兄弟姉妹がいるときに同種造血幹細胞移植をおこなう臨床試験では、一致するドナーがいるか、いないかで治療成績を比較することができます。

 

比較的大規模なものとして2003年に出版された臨床試験の結果があります(Blood. 2003 Aug 15;102(4):1232-40)。HLAの一致する兄弟姉妹がいる群といない群でその後の経過を比較しました。

予後良好群と予後中間群では、無増悪生存期間も全生存期間もドナーの存在により改善するというわけではありませんでした。

しかし、予後不良群では、無増悪生存期間も全生存期間もドナーの存在により、統計学的にも明らかに改善しました

 

同様のものに2007年に出版された臨床試験の結果があります(Blood. 2007 May 1;109(9):3658-66)。HLAの一致する兄弟姉妹がいる群といない群でその後の経過を比較しました。

予後良好群では、無増悪生存期間も全生存期間もドナーの存在により改善するというわけではありませんでした。

予後中間群と予後不良群では、無増悪生存期間はドナーの存在により統計学的にも明らかに改善しましたが、全生存期間は改善するとは言えませんでした。

 

同種造血幹細胞移植は大量シタラビン療法よりも治療毒性が高いため、治療効果が同等であれば大量シタラビン療法を選択します。

上記結果から少なくとも予後良好群に対しては同種造血幹細胞移植よりも大量シタラビン療法のほうが良いでしょう。

 

予後中間群と予後不良群のみを同種移植の対象とした、比較的大規模な同様の臨床試験の結果が2014年に出版されています(J Clin Oncol. 2014 Feb 1;32(4):288-96)。

この試験では予後不良群に限って、HLAが一致する非血縁のドナーも「ドナーあり」として同種移植を行っています。

無増悪生存期間は予後中間群も予後不良群も、統計学的に明らかな改善がありました(下図)。

急性骨髄性白血病 寛解後療法 同種移植 DFS

全生存期間は、予後不良群でのみ統計学的に明らかな改善がありました。予後中間群では全生存期間は改善するとは言えませんでした(下図)。

急性骨髄性白血病 寛解後療法 同種移植 全生存率

予後不良群に対しては同種造血幹細胞移植を推奨します。HLA一致の兄弟姉妹だけでなく、骨髄バンクなども含めた同種造血幹細胞移植がを推奨します。臍帯血移植や半合致移植も検討します。

 

予後中間群については、移植でも大量シタラビン療法でも全生存率は変わりなさそうですが、2009年にシステマティックレビュー・メタ解析の結果が出ています(JAMA. 2009 June 10;301(22):2349–2361).

このメタ解析は24の前向き臨床試験を合わせて解析しています。このメタ解析では予後中間群でも同種移植により全生存期間の改善があるという結果でした。

システマティックレビュー・メタ解析は医学的根拠の強いものと扱われることが多いのですが、バイアスが入りやすく、結果を絶対視すると危険です。

きちんと管理されている大規模ランダム化臨床試験と比較すると必ずしもシステマティックレビュー・メタ解析のほうが信頼できるというわけではないと考えます。

予後中間群に対しては、大量シタラビン療法もしくはHLA一致兄弟姉妹からの同種造血幹細胞移植のどちらかを推奨します。どちらが良いかははっきりしていませんが、非血縁からの同種移植、臍帯血移植、半合致移植は推奨しません。

 

FLT3遺伝子変異があり、ミドスタウリンを使用した場合は、大量シタラビン療法のときもミドスタウリンを併用してください。

2020年12月時点でのアメリカのNCCNガイドライン(NCCN Guidelines)では、予後良好群に対しては大量シタラビン療法を強く(カテゴリー1)推奨しています。予後不良群には同種移植を推奨しています。予後中間群については化学療法でも同種移植でもよいとしています。

日本の2018年造血器腫瘍診療ガイドラインでは、予後良好群は化学療法を、予後中間群と予後不良群には同種移植を推奨しています。

 

急性骨髄性白血病 完全寛解後の同種造血幹細胞移植

同種造血幹細胞移植を行う前に「前処置」と呼ばれる化学療法(および全身放射線照射)を行い、終了後数日以内に幹細胞を輸血のように投与します。

同種造血幹細胞移植では強い前処置の場合は「骨髄破壊的前処置」、弱めの前処置を行う場合は「強度減弱前処置」、極軽度の前処置の場合は「骨髄非破壊的前処置」と呼んで区別します。

 

前処置の強度により治療効果に違いがあるのかどうか比較した大規模ランダム化臨床試験が2017年に報告されました(J Clin Oncol. 2017 Apr 10;35(11):1154-1161)。

65歳以下の症例を対象として行われたこの臨床試験は、あまりに差が大きいため早期終了となりました。「骨髄破壊的前処置」もしくは「強度減弱前処置」のどちらかにランダム化してその経過を比較しました。

18か月無増悪生存率は「骨髄破壊的前処置」で67.8%, 「強度減弱前処置」で47.3%であり、「骨髄破壊的前処置」のほうが統計学的にも明らかに良好でした(p<0.01)。

とくに再発率が「骨髄破壊的前処置」で13.5%であったのに対して、「強度減弱前処置」で48.3%と極めて高く、早期に臨床試験は終了となりました(下図 p<0.001)。

18か月全生存率は「骨髄破壊的前処置」で77.5%, 「強度減弱前処置」で67.7%でした(下図 p=0.07)。

ただし致命的な合併症が「骨髄破壊的前処置」で15.8%、「強度減弱前処置」で4.4%と明らかに「骨髄破壊的前処置」のほうが多く出ました(p=0.002)。

骨髄破壊的前処置と強度減弱前処置 全生存

同種造血幹細胞移植を行うときは、全身状態が良好であれば「強度減弱前処置」よりも「骨髄破壊的前処置」を推奨します

 

同種造血幹細胞移植の「骨髄破壊的前処置」でよく用いられるのは、以下になります。

  • シクロホスファミド+全身放射線照射12グレイ
  • シクロホスファミド+ブスルファン(点滴、4日間)
  • フルダラビン+ブスルファン(点滴、4日間)

とくにブスルファンは点滴投与可能な製剤(商品名:ブスルフェクス)が登場してから広く用いられています。

 

点滴ブスルファン全身放射線照射を比較した前向き試験があります(Blood. 2013 Dec 5;122(24):3871-8)。ランダム化試験ではないので信頼性は十分に高いというわけではありません。

急性骨髄性白血病などの疾患を対象としたこの前向き試験で、2年生存率が点滴ブスルファンで56%, 全身放射線照射で48%点滴ブスルファンのほうが明らかに良好でした(下図 p=0.019).

TBI vs ブスルフェクス 全生存

「骨髄破壊的前処置」のなかでは点滴ブスルファンを用いたものがよいと考えられます

 

点滴ブスルファンを用いた前処置同士の比較も行われました。

2015年に出版された大規模ランダム化臨床試験では「シクロホスファミド+点滴ブスルファン」と「フルダラビン+点滴ブスルファン」を比較しました(Lancet Oncol. 2015 Nov;16(15):1525-1536)。ただし40歳から65歳までの急性骨髄性白血病の症例限定です。

結果は、無増悪生存期間全生存率はどちらが良いとは言えないものでした(下図)。短期的な合併症は「シクロホスファミド+点滴ブスルファン」のほうが多い結果でした。

BuCy vs FluBu

「シクロホスファミド+点滴ブスルファン」「フルダラビン+点滴ブスルファン」については、どちらも大きくはかわりないと考えられます。

 

「強度減弱前処置」処置でも点滴ブスルファン2日間が広く用いられるようになっています。

2020年に出版された大規模ランダム化臨床試験の結果です(Lancet Haematol. 2020 Jan;7(1):e28-e39.
)。

この臨床試験では「フルダラビン+点滴ブスルファン2日間」「フルダラビン+トレオスルファンを比較しました。強度減弱前処置が適応となる50歳以上の症例限定です。

トレオスルファンがブスルファンに劣らないことを示す「非劣性試験」でしたが、2年生存率は「フルダラビン+点滴ブスルファン2日間」で56.4%、「フルダラビン+トレオスルファン」で71.3%でした。

統計学的にも明らかに「フルダラビン+トレオスルファン」が良好でした(下図)。

FluBu2 vs Flu+treosulfan OS

強度減弱前処置ではトレオスルファンのほうがブスルファンよりも良いと考えられます。

トレオスルファンはEUでは使用可能ですが、2020年12月時点でアメリカでは使用できません。日本でも未承認です。

 

急性骨髄性白血病の同種造血幹細胞移植では、もし可能であれば「HLAの一致する兄弟姉妹」からの移植が最もよいです。存在しなければ「HLAがアリルレベルで8/8で一致する骨髄バンクドナー」からの移植をすすめます。

HLA検査ではHLA-AとHLA-BとHLA-CとHLA-DRの4つを見ます。それぞれ2つずつあり、8つの結果が返ってきます。すべて一致すればドナー候補です。

「アリル」レベルでHLAを一致させたほうが、「抗原型」で一致させるよりも予後良好です。

抗原型はHLA-Aでは「A11, A24」といったようになりますが、アリルでは「A11:01:01, A24:01:01」といったように詳しくわかります。抗原型が一致していてもアリルが一致しなければ合併症のリスクが大きく上昇します(Blood. 2010 Sep 16;116(11):1839-48)。

もしいずれも存在しない場合は「臍帯血移植」や「半合致移植」、「ミスマッチ骨髄バンクドナーからの移植」を検討しますが、治療成績は低下します。この中では「半合致移植」を「移植後シクロホスファミド」を用いて行うのが良いでしょう。

 

2010年に出版された前向き試験の結果です(J Clin Oncol. 2010 Oct 20;28(30):4642-8)。

高リスクの急性骨髄性白血病症例で、「HLA一致の兄弟姉妹」、「HLA一致の骨髄バンクドナー」、「その他の移植」、「移植しない」となった場合の生存を追跡しました。

結果、5年生存率は「HLA一致の兄弟姉妹」で最も良好で、「HLA一致の骨髄バンクドナー」がそれに続く結果でした。移植しなかった場合の生存率は極めて不良(6.5%)でした。

 

2019年に「移植後シクロホスファミド・半合致移植」「臍帯血移植」を比較する小規模ランダム化臨床試験の結果が出版されました(Biol Blood Marrow Transplant. 2019 Oct 23. pii: S1083-8791(19)30671-8)。骨髄破壊的前処置による移植です。

結果は、半合致移植のほうが、致命的な合併症やGVHDは少なく、2年での再発もGVHDもなく生存している確率は半合致移植群で40%, 臍帯血移植群で17%と, 半合致移植のほうが統計学的にも明らかに良好でした(下図、p=0.04)。ただし全生存率や再発率は明らかな改善というわけではありませんでした。

半合致移植 vs 臍帯血移植 GR-free survival

 

なお、同種造血幹細胞移植を行う場合は「大量シタラビン療法」は不要です。移植までに時間がかかる時のみ、「大量シタラビン療法」を行います。

大量シタラビン療法を行っても生存率は改善しませんが、行う分の有害事象は起こります。

 

同種造血幹細胞移植の適応基準は施設と担当医師によって異なります。

一般的には、腎臓、心臓、肝臓などの全身臓器状態が良好であれば可能です。年齢の上限は通常はありません。全身状態がよければ70歳代でも移植可能です。

2020年12月時点でのアメリカのNCCNガイドライン(NCCN Guidelines)では、高齢者でも同種造血幹細胞移植を治療選択肢に含めています。

年齢だけを理由に移植適応外としてしまうのは推奨しません施設・各医師により移植適応基準が異なりますのでよく確認してください。

 

次項では寛解後療法の実際の投与とその注意点、寛解後療法が終了した後の治療効果判定について解説します。

 

まとめ 急性骨髄性白血病 完全寛解に到達後の寛解後療法

● 完全寛解到達後は中枢神経系浸潤の検査を必要な場合に行います。

寛解後療法は、急性骨髄性白血病のリスク分類(2017 ELN分類)に基づいて行います。

● リスク分類で予後が比較的良好な群であれば「大量シタラビン療法」を、不良であれば「同種造血幹細胞移植」を、中間であれば「大量シタラビン療法」もしくはHLAの一致するドナーが存在する場合に「同種造血幹細胞移植」を、推奨します。

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NCCNガイドライン(NCCN Guidelines)

2018年造血器腫瘍診療ガイドライン

 

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