急性前骨髄球性白血病 (APL) 診断と治療の概要

2019-09-21

急性前骨髄球性白血病 骨髄穿刺塗抹標本 Giemsa 1000

 

急性前骨髄球性白血病(APL)は白血病の疑いがあるとされた場合に考えられる疾患のひとつです。

急性前骨髄球性白血病はおおよそ急性骨髄性白血病の5~20%を占めます。

本項では急性骨髄性白血病の発症から診断・治療、そしてその後の経過について、概要を説明します。

さらに詳細な内容については、各項目のリンク先をご覧下さい。

急性前骨髄球性白血病とはどんな病気で、どのようにして診断・治療を行うのか、その効果はどのくらいか、といった内容について、国内外の臨床研究、ガイドラインを参照しつつ解説しています。

急性前骨髄球性白血病について理解してもらい、治療の際の参考にしていただければと思います。

 

急性前骨髄球性白血病の症状・診断 発症から診断まで

急性前骨髄球性白血病の発症時の症状は急速に進行する疲れやすさ出血発熱などです。

重篤な出血を起こす前に診断・治療を行う必要があります

血液検査骨髄検査で診断を行います。その日のうちに診断はかなり濃厚になります。診断はWHO分類に基づき、PML-RARAという遺伝子異常で確定します。

 

急性前骨髄球性白血病の寛解導入療法と治療効果判定

寛解導入療法は急性前骨髄球性白血病の治療で最も重要なものです。

寛解導入療法の治療目標は完全寛解到達です。

急性骨髄性白血病治療の抗がん剤であるアントラサイクリンシタラビンに、トレチノインを追加することにより、治療成績は大きく改善しました。

三酸化二ヒ素の登場により急性骨髄性白血病の治療成績はさらに大きく改善しています。

寛解導入療法中はさまざまな合併症もあります。感染症、出血、分化症候群、腫瘍崩壊症候群などに対して十分な管理が必要です

寛解導入療法を終えたら治療効果判定を行います。骨髄検査が再度必要です

急性前骨髄球性白血病 塗抹標本 弱拡大
急性前骨髄球性白血病(APL)の寛解導入療法

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トレチノインカプセル
急性前骨髄球性白血病(APL) 寛解導入療法の実際と治療効果判定

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急性前骨髄球性白血病の寛解後療法と治療効果判定

無事に完全寛解に到達したら次は寛解後療法です。地固め療法とも言います。

寛解後療法を行わなければ、結局しばらくして再発してしまいます。目標はPML-RARAが陰性化するくらい深い完全寛解です。

寛解後療法は全部で約28週間かかります。寛解後療法が終了したら、再度骨髄検査を行いPML-RARA遺伝子異常が陰性化していることを確認します。

「測定可能残存病変(微小残存病変)陰性の完全寛解」が寛解後療法の治療目標です。

 

急性前骨髄球性白血病  維持療法と定期通院

寛解後療法を完了できた急性前骨髄球性白血病のほぼ全例で、「測定可能残存病変(微小残存病変)陰性の完全寛解」CRMRD-に到達します。

以降は定期的に通院を行います。トレチノインやタミバロテンによる維持療法を行う場合があります。

数か月に1回は、定期通院の時に血液中のPML-RARA遺伝子異常の有無を確認します。

 

急性前骨髄球性白血病 再発・難治性の治療

急性前骨髄球性白血病の治療は年々よくなってきています。再発率もそれに伴い下がってきていますが、それでも再発する場合があります。

PML-RARAが検出された時点で、再寛解導入療法・再寛解後療法を行います。再発・難治性の場合は治療法が初発時と異なります。自家造血幹細胞移植同種造血幹細胞移植を行う場合もあります。

 

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