多発性骨髄腫(MM)の初回治療 新規薬剤を用いた化学療法

2020-01-04

多発性骨髄腫 VTd vs D-VTd CASSIOPEIA 奏効率

 

多発性骨髄腫(MM)の治療は毎年のように大きく改善されています。次々に明らかになる新発見は多発性骨髄腫の治療成績をどんどん改善していますが、同時に少し複雑にもなっています。

本項では、多発性骨髄腫の最新の治療(主に化学療法)について解説します。

本項でも、国外の文献、ガイドライン、国内のガイドラインを参照にしつつ解説していきます。少し複雑な最新のベストな治療を理解するためには、少し前に戻ってそれから現在までどのようにして治療が改善してきたのかについて把握しておく必要があります。

 

多発性骨髄腫の初回治療 サリドマイド、ボルテゾミブ、レナリドミドの登場

多発性骨髄腫(MM)に対しては抗がん剤による治療が2000年くらいまでは主な治療方法でした。通常量の抗がん剤治療はMP療法VAD療法などでした。

1999年にサリドマイドという、もともと睡眠薬として使用されていた薬剤が多発性骨髄腫に有効であることが臨床試験でわかりました。

日本ではサリドマイドは深刻な催奇形性などの薬害ため販売停止となっていましたので、抗がん剤以外で多発性骨髄腫に唯一奏効するサリドマイドを個人輸入して使用するという状況になりました。

その状況は2008年に承認されるまで続きました。

二度と薬害を引き起こさないように厳格な管理の下での承認でした(商品名:サレド)

 

そのサリドマイドを多発性骨髄の初回治療から用いたほうが高い奏効率を達成するということも2006年にはわかっていました(J Clin Oncol. 2006 Jan 20;24(3):431-6)。

さらには、そのサリドマイドの誘導体であるレナリドミドポマリドミドが多発性骨髄腫に有効であることが2002年ごろにはわかってきていました。このどちらの薬剤も催奇形性などのリスクがあるため厳格な管理が必要です。

 

2008年に多発性骨髄腫に対する初回治療としてボルテゾミブ(商品名:ベルケイド)を行った大規模ランダム化臨床試験の結果が出版されました(N Engl J Med. 2008 Aug 28;359(9):906-17.)。

VISTA試験と名付けられたこの臨床試験では、MP(メルファラン・プレドニゾン)療法VMP療法(ボルテゾミブ・メルファラン・プレドニゾン)をランダム化して比較しました。

結果、全奏効率はMP療法が36%でしたがVMP療法は71%と高く、完全奏効率もMP療法は4%であるのに対してVMP療法は30%と大きく上昇しました(p<0.001).

再発までの期間もMP療法群は16.6か月、VMP療法群は24か月と統計学的にも明らかにVMP療法群が良好でした。

最も重要な全生存期間でも、MP療法群は43.1か月であるのに対してVMP療法群は56.4か月と統計学的にも明らかに良好でした(下図、J Clin Oncol. 2013 Feb 1;31(4):448-55).

多発性骨髄腫 MP vs VMP VISTA OS

両群ともに再発後の治療にレナリドミドやボルテゾミブの使用が可能でした。それにもかかわらず全生存期間にも明らかな差がつくということは、再発してから新薬を使用するよりも初回治療の段階でより有効な治療を行ったほうが全生存期間が良好であることを示唆します。

重篤な有害事象は両群とも約30%でしたが、重症末梢神経障害がVMP群に約13%も生じてしまいました(MP療法群は0%).

 

2010年には多発性骨髄腫に対する初回治療としてレナリドミド(商品名:レブラミド)を行った大規模ランダム化臨床試験の結果が出版されました(Blood. 2010 Dec 23;116(26):5838-41.).

この臨床試験ではRD療法(レナリドミド+デキサメタゾン)偽薬+デキサメタゾンにランダム化して比較しましたが、早期中断となりました。

奏効率があまりにも異なるためです。全奏効率はレナリドミド群で78%, 偽薬群で48%でした。無増悪生存期間もレナリドミド群のほうが明らかに良好でした(下図、Blood. 2010 Dec 23;116(26):5838-41.)。

多発性骨髄腫 RD vs placebo D, PFS

 

同じくらいの時期に、併用するデキサメタゾンの量が少ないほうが良いことがわかりました(Lancet Oncol. 2010 Jan;11(1):29-37)。

2010年に行われた大規模ランダム化臨床試験では、レナリドミドと通常量デキサメタゾンのRD療法群とデキサメタゾンを大きく減量したRd療法群で比較しましたが、この臨床試験も早期中断となりました。

全奏効率はRD療法群で79%, Rd療法群で68.3%と、RD療法群のほうが統計学的にも明らかに良好でした(p=0.008)。

しかし全生存率がRD療法群で統計学的にも明らかに低下してしまいました

2年全生存率はRD療法群が75%, Rd療法群が87%でした(下図、p=0.0002).

多発性骨髄腫 RD vs Rd, OS

感染症血栓症などの有害事象がRD療法群のほうが多く、その結果として生存率が低下してしまったのです。デキサメタゾンは奏効しますが量が多いと合併症も多くなるため、少量がよいと考えられます。

このころからレナリドミドなどと併用するデキサメタゾンは少量となり、区別するために「Rd」と記載するようになりました。

 

一般的にレナリドミドのほうがサリドマイドよりも完全奏効率がやや高いです。

2014年に出版された大規模ランダム化臨床試験であるFIRST試験では、Rd療法MPT療法(サリドマイド、メルファラン、プレドニゾン)を比較しました(N Engl J Med. 2014 Sep 4;371(10):906-17)。

結果、完全奏効率はRdで約20%、MPTで約12%でした。

全生存期間もRd療法群のほうがMPT療法群よりも統計学的にも明らかに良好でした(下図、Blood. 2018 Jan 18;131(3):301-310)

多発性骨髄腫 Rd vs MPT, FIRST OS

そして、あとからボルテゾミブやレナリドミドを使用したとしても、最初から良い治療をおこなったほうが全生存率がよいのです。

多発性骨髄腫という病気は再発するたびに進化すると言えます。再発した時点では新薬といえども効果が落ちてしまうと考えられます。

多発性骨髄腫の場合は、最初から良い治療を行ったほうが、生存率は高いです。

 

2021年にもサリドマイドレナリドミドを比較した大規模ランダム化試験の結果が出版されています(Br J Haematol. 2021 Mar;192(5):853-868).

自家移植の適応とならない多発性骨髄腫の症例を対象に、シクロホスファミド・サリドマイド・デキサメサゾン(CTD療法)とシクロホスファミド・レナリドミド・デキサメサゾン(CRD療法)に初回治療をランダム化して比較しました。

結果、完全奏効率はCTD群で2.8%であったのに対してCRD群では7.2%であり、最良部分奏効達成率はCTD群で43.1%であったのに対してCRD群では52.3%と、CRD療法のほうがCTD療法よりも統計学的にも明らかに良い奏効でした(p=0.0003)。

再発なく生存している期間(無増悪生存期間)は中央値で両群とも16か月でしたが、CRD療法のほうが少し良い傾向にありました。有意な差ではありませんでした(下図, HR 0.91,95%CI 0.83-1.01, p=0.072).

多発性骨髄腫 CRD vs CTD, 無増悪生存

 

全生存期間については両群とも有意な差はなくどちらが良いかはこの試験でははっきりしませんでした(HR 0.95, 95%CI 0.84-1.07, p=0.403)。

多発性骨髄腫 CRD vs CTD, 全生存

 

一般的に初回治療ではレナリドミドのほうがサリドマイドよりも奏効は良いと言えます。無増悪生存や全生存も少しよいと考えられます。

 

多発性骨髄腫の初回治療 新規薬剤同士の組み合わせ

ボルテゾミブやサリドマイド、レナリドミドなどは多発性骨髄腫に対して有効であることがわかってきたところで、それらを組み合わせたらもっとよく効くのではないかと考えられました。

ただしボルテゾミブとレナリドミドは新薬であり、単独でもすでにかなり高価であるため、ボルテゾミブとサリドマイドの組み合わせが最初は検討されていきます.

 

2010年にTD療法(サリドマイド・デキサメタゾン)とVTD療法(ボルテゾミブ・サリドマイド・デキサメタゾン)を比較する大規模ランダム化臨床試験が行われました。どちらの群でも自家移植を行いました(Lancet. 2010 Dec 18;376(9758):2075-85)。

結果、治療後の全奏効率は両群ともに95%以上と非常に良好でした。完全奏効率TD群で46.6%, VTD群で60.6%と、VTD群のほうが良好でした(p=0.012).

無増悪生存期間もVTD群のほうが良好でした(下図). 全生存期間の差はついていませんでした。

多発性骨髄腫 VTD vs TD PFS

2020年にこの臨床試験の長期追跡結果の報告も出版されました(Lancet Haematol. 2020 Dec;7(12):e861-e873).

無増悪生存期間の中央値はTD群で41か月であったのに対して、VTD群では60か月でした。統計学的にも明らかにVTD群のほうがTD群よりも良好なままでした(下図、HR 0.62, 95% CI 0.50-0.77, p<0.0001).

GIMEMA-MMY-3006 初発多発性骨髄腫 TD vs VTD, PFS

さらに全生存期間についても差が出ています。10年生存率はTD群で46%であったのに対して、VTD群では60%でした。全生存率も統計学的にも明らかにVTD群のほうがTD群よりも良好でした(下図、HR 0.68, 0.51-0.90, p=0.0068).

GIMEMA-MMY-3006 初発多発性骨髄腫 TD vs VTD, OS

自家移植を行っている臨床試験では全生存率に差が出てくるのはかなり時間がかかります。自家移植を行う臨床試験では明らかに全生存率が上昇するためです。

この臨床試験でもVTD群は10年生存率が60%と試験を開始した当時としてはかなり良い成績です。

 

なお、同様の結果は2012年に出版された大規模ランダム化臨床試験でも確認されました(Blood. 2012 Aug 23;120(8):1589-96)。

 

2016年に出版された大規模ランダム化臨床試験では、移植前治療としてのVTD療法VCD療法(ボルテゾミブ、シクロホスファミド、デキサメタゾン)を比較しました(Blood. 2016 May 26;127(21):2569-74)。

結果、VTD療法のほうがVCD療法より全奏効率が高い結果でしたが、末梢神経障害も多いという結果でした。サリドマイドもボルテゾミブも末梢神経障害を起こしやすいため、組み合わせるとさらに起こりやすくなります。

 

そしてとうとう2017年にはVRd療法(ボルテゾミブ、レナリドミド、デキサメタゾン)の大規模ランダム化臨床試験の結果が出版されました(Lancet. 2017 Feb 4;389(10068):519-527)。

この臨床試験(SWOG S0777試験)ではVRd療法Rd療法を比較しました。

自家移植を行わない予定の症例限定であったため、上記の移植症例の臨床試験より奏効などは低めでしたが、完全奏効率はVRd療法では16%, Rd療法では8%と、VRd療法のほうが良好でした。

無増悪生存期間もVRd療法群で43か月、Rd療法群で30か月と、統計学的にも明らかにVRd療法のほうが良好でした(下図)。

多発性骨髄腫 VRd vs Rd PFS

全生存期間もVRd療法群で75か月、Rd療法群で64か月と、統計学的にも明らかにVRd療法のほうが良好でした(下図)。

多発性骨髄腫 VRd vs Rd OS

SWOG S0777試験の7年におよぶ長期追跡結果が2020年に出版されました(Blood Cancer J. 2020 May 11;10(5):53)。

無増悪生存期間の中央値はRd群では29か月であったのに対して、VRd群では41か月であり、統計学的にも明らかにVRd群はRd群よりも良好な無増悪生存期間でした(下図).

SWOG S0777 Rd vs VRd PFS

5年全生存率Rd群で56%であったのに対して、VRd群では69%と、全生存率についても統計学的にも明らかにVRd群はRd群よりも良好でした(下図).

SWOG S0777 Rd vs VRd OS

年齢を調整しても、無増悪生存率、全生存率のどちらもVRd群はRd群よりも有意に良好でした。

ただし初回治療で移植を行ってはいないので、完全奏効率VRd群で24.2%, Rd群で12.1%と、VRd療法のほうが良いのですが、両群とも初回治療で自家移植を行う場合よりは低めです。

最良部分奏効達成率はVRd群で74.9%, Rd群で53.2%でした(下図)。

SWOG S0777 Rd vs VRd RR

有害事象については、治療に起因すると推定される重症な心臓への毒性がRd群で4%でしたが、VRd群で9%とやや多くみられました。

重症な消化器症状はRd群で9%でしたが、VRd群で23%と明らかに多くなります。

重症な神経障害はRd群で11%, VRd群で25%でした。

 

VRd療法はRd療法よりも明らかに有効で全生存率を改善します。

また再発してからボルテゾミブなどの薬剤を使用するよりも、最初から使用しているほうが生存率は高いと言えます。多発性骨髄腫では最初から最良の治療を行うことが重要です。

心臓、消化器、神経の毒性はボルテゾミブを追加すると増加します。これらの症状に注意しながら治療を継続することが大切です。

 

ボルテゾミブ、サリドマイド、レナリドミドの中では、ボルテゾミブとレナリドミドの組み合わせ(VRd療法)が最も良好な成績と言えるでしょう。VTD療法はその次と考えられます。

 

多発性骨髄腫の初回治療 抗体薬などのさらなる新薬の登場

多発性骨髄腫の初回治療は、さらなる治療成績の改善を目指して、次々と臨床試験が行われている状況です。

 

ダラツムマブ(商品名:ダラザレックス)CD38という主に形質細胞に発現する蛋白に対する抗体薬です。

単独投与での効果はあまり強くありませんが、既存治療と組み合わせると大きな効果を発揮します。

2018年には、初回治療でダラツムマブを併用した治療の大規模ランダム化臨床試験の結果が出版されました(N Engl J Med. 2018 Feb 8;378(6):518-528).

ALCYONE試験と名付けられたこの臨床試験では、VMP療法D-VMP療法(ダラザレックス、ボルテゾミブ、メルファラン、プレドニゾン)をランダム化して比較しました。

その結果、全奏効率はVMP療法で73.9%, D-VMP療法で90.9%とダラツムマブを併用すると全奏効率は統計学的にも明らかな改善がみられました(p<0.0001).

完全奏効率もVMP療法で25%であったのに対してD-VMP療法では46%と大きく改善しました(p<0.0001).

3年無増悪生存率はVMP療法群で18.5%でしたが、D-VMP療法群は50.7%と大きく改善しました(下図、Lancet. 2019 Dec 10. doi: 10.1016/S0140-6736(19)32956-3)。

多発性骨髄腫 D-VMP vs VMP ALCYONE PFS

最も重要な全生存についても、3年全生存率はVMP療法群で67.9%でしたが、D-VMP療法群は78.0%と大きく改善しました(下図)。

多発性骨髄腫 D-VMP vs VMP ALCYONE OS

過去の臨床試験と同様に後から新薬を使用したとしても、全生存率に差が出てしまっています。初回治療でダラツムマブを併用したほうが、良好な奏効と生存期間の延長が期待できます。

 

2019年にはMAIA試験と名付けられた大規模ランダム化臨床試験の結果が出版されました(N Engl J Med. 2019 May 30;380(22):2104-2115)。

この臨床試験では、Rd療法DRd療法(ダラツムマブ、レナリドミド、デキサメタゾン)を比較しました。

完全奏効率はRd療法で24.9%, DRd療法で47.6%と、統計学的にも明らかにDRd療法が良好でした(p<0.001).

30か月無増悪生存率はRd療法群で55.6%, DRd療法群で70.6%と統計学的にも明らかにDRd療法が良好でした(下図).

多発性骨髄腫 DRd vs Rd MAIA PFS

 

そしてとうとう新規薬剤3剤の組み合わせを用いた治療の臨床試験が行われるようになりました。

2019年にCASSIOPEIA試験というVTd療法D-VTd療法を比較した大規模ランダム化臨床試験の結果が出版されました(Lancet. 2019 Jul 6;394(10192):29-38)。どちらの治療でも自家移植を行っています。

結果、全奏効率は両群とも約90%でした。完全奏効率はVTd療法群で38.5%、D-VTd療法群で53.8%と、D-VTd療法のほうが統計学的にも明らかに良好でした(下図).

多発性骨髄腫 VTd vs D-VTd CASSIOPEIA 奏効率

無増悪生存期間もVTd療法群よりD-VTd療法群のほうが統計学的にも明らかに良好でした(下図). 全生存はまだ結果は出ていません。

多発性骨髄腫 VTd vs D-VTd CASSIOPEIA PFS

この新規薬剤3剤を用いた治療法と自家造血幹細胞移植によって、完全奏効に50%以上で到達することが期待できます。D-VTd療法は2020年12月時点で最も有効な初回治療と言えます。

 

さらに2020年にGRIFFIN試験という、VRd療法DVRd療法を比較したランダム化臨床試験の結果が出版されました(Blood. 2020 Aug 20;136(8):936-945)。どちらの治療でも自家移植を行っています(下図)。

多発性骨髄腫 GRIFFIN試験

結果、自家移植・地固め化学療法後の全奏効率はDVRd群で99.0%, VRd群で91.8%であり、DVRd療法のほうがVRd療法よりも良好な奏効率でした(p=0.0160)。

完全奏効率はDVRd群で51.5%, VRd群で42.3%であり、DVRd療法のほうがVRd療法よりも良好でした.

厳密完全奏効率はDVRd群で42.4%, VRd群で32.0%であり、DVRd療法のほうがVRd療法よりも良好でした.

測定可能残存病変(MRD)陰性化率はDVRd群で47.1%, VRd群で16.5%であり、DVRd療法のほうがVRd療法よりも良好でした(下図).

多発性骨髄腫 GRIFFIN試験 response

無増悪生存率については約2年時点でほとんど差はみられていません(下図)。

多発性骨髄腫 GRIFFIN試験 PFS

血球減少はDVRd療法のほうがVRd療法より多くみられましたが、重症感染症などは両群間であまり差はありませんでした。

今後は無増悪生存率にも差がでる見込みですが、全生存率や無増悪生存率の差が明らかでないうちは、奏効率だけではまだDVRd療法を初回から用いることを推奨することはできません。

 

 

2020年12月時点での、多発性骨髄に対する初回治療は、D-VTd療法(もしくはVRd療法)を推奨します

2020年12月でのアメリカのNCCNガイドライン(NCCN Guidelines)では、VRd療法、VTd療法、DRd療法、D-VMP療法、Rd療法を推奨しています(カテゴリー1)。DVRd療法やDVTd療法も推奨に入っています(カテゴリー2A)。

日本血液学会の2018年造血器腫瘍診療ガイドラインでは、VRd療法、VTd療法、VCD療法、BD療法、Rd療法、DVMP療法、DRd療法を推奨しています。

 

次項ではこれらの治療を実際に行う場合の注意点などについて解説していきます。

Myeloma cells, cell block
多発性骨髄腫(MM)の初回化学療法の投与の注意点、支持療法

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まとめ 多発性骨髄腫の初回治療 新規薬剤を用いた化学療法

● 2000年ごろから10年くらいでサリドマイド、ボルテゾミブ、レナリドミドの初回治療の有効性が明らかになりました。多発性骨髄腫の場合は最初からこれらの治療を行ったほうが生存率が高いこともわかりました。

ボルテゾミブ、サリドマイド、レナリドミドは単独で投与するより組み合わせで投与したほうが有効で、その中ではボルテゾミブとレナリドミドの組み合わせ(VRd療法)が最も有効です。

ダラツムマブを含む初回治療も有効です。新規薬剤3剤を用いたD-VTd療法は2020年12月時点で最も有効な初回治療です。多発性骨髄に対する初回治療は、D-VTd療法(もしくはVRd療法)を推奨します。

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NCCNガイドライン(NCCN Guidelines)

2018年造血器腫瘍診療ガイドライン

 

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